NCVIEW10.0  新機能

1. NCVIEW10.0に搭載された新しい機能 

 1) SOLIDwatch/TURNwatch最適化オプション機能として切削体積評価機能(グラフ表示)が
   追加されます。 

   (NOTE)SOLIDwatch最適化オプション機能をすでにお持ちの場合は本機能を使用できます。
   TURNwatchの場合は、新規オプション機能となります。
  各金属加工において、1ブロックでの切削体積の推移をグラフ化する事により
  異常な切削箇所を検出する機能です。TURNwatchの旋盤加工においては、ワークの回転体形状の
  切削体積が算出されます。

  縦軸;切削体積(mm3)  横軸;切削時間(min) 



   −ピック機能 
   ・切削処理トータル時間 
   ・累積切削時間 
   ・切削体積 
   ・切削時間 
   ・切削工具番号 
   を表示します。また、該当のNCブロック 
   工具軌跡にリンクします。 


  注)時間検証中はこの機能は無効となります。

   −切削体積幅表示機能 
   切削体積幅設定に体積(縦軸)の値を 
   設定し、切削体積幅表示をONすること 
   によりグラフ内に領域を表示します。 



   −ブロック間時間検証機能 
   ブロック間時間検証をONの状態で 
   対象となるグラフ箇所をピックすると、 
   選択された間の時間がピック情報 
   表示画面に表示されます。 




 2) SOLIDwatch/MULTAXwatchの新規オプション機能として、切削後ワークをSTLファイル    に出力できる機能が追加されます。 
  この機能によって、各工程でのワーク形状をSTLファイル経由でCAMやCAEシステムに
  フィードバックできるようになります。
  また、次工程マシーンへのワーク形状の受け渡しや、段取り変えにも利用できます。
  STLファイル出力機能はワーク精度が細かいほどSTL変換に時間がかかりますので
  STLファイル(標準) / STLファイル(高速) / STLファイル(ファイン) 
  の3種類のメニューが選択できるようになっています。




 3) TURNwatchにDXFファイルから旋盤用回転体ワークを作成できる機能が追加されます。

  DXFファイルを旋盤用ワークファイルに変換します。
  詳しくは、10.0NCVIEWHELPをご参照ください。



 4) TURNwatchの新規オプション機能として、旋盤用形状比較機能が追加されます。
  旋盤用形状比較機能は、NCVIEW(TURNwatch)の切削シミュレーション結果(切削済みワーク)
  と仕上がり形状(DXF ファイル)とをコンピュータ内で自動的に比較し、
  食い込み部(仕上がり形状に対して食い込んだ部分)、
  削り残し部(仕上がり形状に対して削り残した部分)を判定する機能です。
        −切削ワーク済みワークへの色分け表示
           下図は、形状比較実行後、食い込み部・削り残し部を分かり易く表示させたものです。
           赤の部分 = 食い込み部
           青の部分 = 削り残し部
           また、水色・桃色の▽マークは、ワイヤフレームで表示されるワークを時計回りに周回した時の
           食い込み部・削り残し部の各箇所の最初の要素を表しています。

      図1:ワイヤフレーム表示
      注)分かり易くするために「DXF図面重ね       合わせ」を行っています。
      図2:ソリッド表示

      −比較結果レポート
         メッセージウィンドウとログファイルに食い込み・削り残しが発生した箇所の座標値、
         及び食い込み域数の合計と削り残し域数の合計が出力されます。


 5) 旋盤加工でよく使用されるサイクル指令が追加されます。


     <FANUC>
  −FANUC(10T,11T,12T,15T系)サイクル指令を新規サポート: G70/G71/G72/G73/G74/G75/G76
  −FANUC(16T,18T系)サイクル指令を2行で指令する方式に対応:G70/G71/G72/G73/G74/G75/G76
     <SEICOS>
  −SEICOS用サイクル指令を新規サポート:G70/G71/G72/G73/G74/G75/G76 

 6) バッチコマンドのCUT文で干渉発生時に干渉発生のNCデータの直前または直後のワーク
   データを保存できる機能が追加されます。


 7) ネットワークライセンス環境下でBatchManagerを使用した際、NCVIEWバッチファイルの連続
   実行ができるようになります。

  なお、この機能を使用するためには、NCVIEW10.0ディレクトリにあるBatchManager1.1を
  ご使用ください。

 8) VirtualMachineオプション機能をご使用の場合、1つのMCHにつき複数のMSFを対応できる
   機能が追加されます。

  現在MSFのファイル名称は、MCHファイル名称の拡張子を「msf」に変更したものとしていますが、
  同じ工作機械でも、加工物によってコンポーネントの構成を変えたい場合があります。
  例えば、加工物のサイズによって「治具の形状が異なる」、「チャックする方法が異なる」等が挙げられます。
  このような場合に1つのMCHにつき複数のMSFを対応できるようになります。
  詳しくは、10.0NCVIEWHELPをご参照ください。



 9) SOLIDwatchの最適化オプション機能の固定5軸突き出し機能を改良されます。
  本機能はボールエンドによるB軸、C軸の固定傾斜加工の突き出し計算機能です。
  金型の仕上げ加工では工具長の最短化、加工の高速化のため、ボールエンド工具の
  中心位置で作成されたNCデータを利用し、工具姿勢をアンギュラーヘッドや主軸旋回機能で
  変更し加工することがあります。固定5軸突き出し機能では、このような加工における
  突き出し長計算を行うことができます。
  今回の改良点は以下の2点です。
   −固定5軸突き出し計算のレポート計算時間が大幅に改善されます。
   −アングギュラーヘッド部が傾けた工具先端より前に突き出したような形状での突き出し長計算も
   正確に行うよう改善されます。

 10) NCVIEWヘルプ機能をより見やすく、より使いやすく一新されます。
    NCVIEWhelpを一新
    @より見やすく
    シンプルに!そして目にやさしい色使いを採用
    A使いやすく!検索方法を豊富に
    目次/キーワード/検索に加え、メイン画面
    からの誘導検索、サイトマップ表示など選
    べる検索方法
    Bわかりやすく
    標準機能/各種オプション機能/その他すぐに
    わかる色による識別
    C用語集
    NCVIEW用語とその他機械用語
    D機械定義コマンド追加とナンバリング
    新規機械定義コマンドの追加
    また全てのコマンドに、便利なナンバリング表示
    Eその他情報も満載

 その他
  ●立ち上げ時に、前回終了時の背景色が有効になります。
  ●Tosnucで測定データ記憶域を読み書き可能な変数(V4003〜V4239)としてサポートされます。
  ●MELDASのG92指令に対応されます。
     −G92G53は制御装置の座標表示同期のための特殊指令であるためNCVIEWでは無視されます。
     −MELDASにおけるG92では、ローカル座標系G52座標系はキャンセルされません。
  ●TOSNUCのミラーイメージ機能(TOSNUCでは同じGコードG62でミラーイメージのON/OFF可能)に
  対応されます。
  ●TOSNUC では、径補正値が直径値で指定されるため、1/2伸長、1/2縮小位置オフセット機能に
  対応されます。


2.NCVIEW10.0で追加された機械定義コマンド 
  
 −マシンニング用機械定義コマンド
  ●MELDAS用座標系設定Gコード
  ●TOSNUCプログラマブルミラーイメージON/OFF
  ●TOSNUC 1/2倍伸長工具位置補正
  ●TOSNUC 1/2倍縮小工具位置補正

 −FANUC 複合形旋削用固定サイクル(旋盤用)機械定義コマンド
  ●仕上げサイクルGコードの指定
  ●外径/内径荒削りサイクルGコードの指定…FANUC 16T,18T系
  ●外径/内径荒削りサイクルGコードの指定…FANUC 10T,11T,12T,15T系
  ●端面荒削りサイクルGコードの指定…FANUC 16T,18T系
  ●端面荒削りサイクルGコードの指定…FANUC 10T,11T,12T,15T系
  ●閉ループ旋削サイクルGコードの指定…FANUC 16T,18T系
  ●閉ループ旋削サイクルGコードの指定…FANUC 10T,11T,12T,15T系
  ●端面突切り旋削サイクルGコードの指定…FANUC 16T,18T系
  ●端面突切り旋削サイクルGコードの指定…FANUC 10T,11T,12T,15T系
  ●内径・外形突切り旋削サイクルGコードの指定…FANUC 16T,18T系
  ●内径・外形突切り旋削サイクルGコードの指定…FANUC10T,11T,12T,15T系
  ●複合形ねじ切りサイクルGコードの指定…FANUC 16T,18T系
  ●複合形ねじ切りサイクルGコードの指定…FANUC 10T,11T,12T,15T系

 −SEICOS 複合形旋削用固定サイクル(旋盤用)機械定義コマンド
  ●仕上げサイクルGコードの指定
  ●外径/内径荒削りサイクルGコードの指定
  ●端面荒削りサイクルGコードの指定
  ●閉ループ旋削サイクルGコードの指定
  ●端面突切り旋削サイクルGコードの指定
  ●内径・外形突切り旋削サイクルGコードの指定
  ●複合形ねじ切りサイクルGコードの指定

 −SEICOS 複合旋盤用固定サイクル(ミリング穴あけ)機械定義コマンド
  ●ドリルサイクルGコードの指定
  ●ドリルサイクルGコードの指定)
  ●深穴ドリルサイクルGコードの指定
  ●タップサイクルGコードの指定
  ●ボーリングサイクルGコードの指定
  ●ボーリングサイクルGコードの指定
  ●バックボーリングサイクルGコードの指定
  ●ボーリングサイクルGコードの指定
  ●ボーリングサイクルGコードの指定
  ●高速深穴サイクルGコードの指定
  ●逆タップサイクルGコードの指定
  ●ファインボーリングサイクルGコードの指定
  ●ダイレクトタッピングGコードの指定
  ●逆ダイレクトタッピングGコードの指定
  ●固定サイクルキャンセルGコードの指定

 −その他旋盤用機械定義コマンド
  ●自動R補正/径補正キャンセルGコードの指定
  ●強制左側R補正Gコードの指定
  ●強制右側R補正Gコードの指定
  ●自動R補正モードGコードの指定
  ●径補正モードGコードの指定
  ●径左補正Gコードの指定
  ●径右補正Gコードの指定
  ●径補正キャンセルGコードの指定
  ●面取り動作を行う切削Gコードの指定
  ●タレット指定Gコードの指定
  ●ねじ切りGコードの指定


3.NCVIEW 10.0で修正された主な不具合項目 

 −共通項目
  ●機械定義ファイルの送り速度設定不具合。
  ●工具登録・表示の一部不正処理。
  ●OSPの一部マクロ不具合。
  ●Tosnucの一部マクロ不具合。
  ●Fanucの一部マクロ不具合。
 −SOLIDwatch/MULTAwatch関連項目
  ●特殊NCデータ時のリトラクト最適化がおかしくなる不具合。
  ●厚み付けの一部不正処理。
  ●OSPの工具長補正がずれるケースがある不具合。
  ●一部固定サイクルの加工時間の算出不具合。
  ●MULTAXwatchソリッド表示不具合。
  ●インデックスヘッドのずれ量が不正になるケースがある不具合。
  ●工具Cパラメータの処理が不正になるケースがある不具合。
  ●SOLIDwatch/MULTAXwatch間のワーク変換時の形状不具合。
 −TURNwatch関連項目
  ●Xマイナス時の加工動作の不正処理。
  ●一部操作におけるピック不具合。
  ●ワーク保存時に不正になるケースがある不具合。
  ●ターニングセンター時の干渉及びワーク変換の不具合。
 −その他の項目
  ●BatchManagerが不正な形式でNCVIEWを起動させるケースがある不具合。


4.NCVIEW10.0動作環境 
   NCVIEW9.1より動作環境は以下の通りとさせていただきます。

    ●EWS版
      開発・販売共に終了しました。
    ●PC版
      (1) 機種(括弧内はサポートしているOS)
                   DOS/V系(Windows95/98/NT4.0/2000/XP)
      (2) メモリー 64MB 以上 (推奨256MB以上)
      (3) ディスクエリア 50MB 以上
      (4) グラフィック 解像度 1024x768以上、同時 65,000 色表現以上 (VRAM 2MB 以上)

 

  


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